みんなのしごと

2016年3月26日(土)に「みんなのしごと VOL.14 WORKSHOP 紙の照明3」が開催されました。
多摩美術大学環境デザイン学科准教授の米谷ひろしさん、橋本潤さん、助手の五味さんを先生としてお招きし、
ワークショップを開催しました。
多摩美術大学環境デザイン学科は「人が生活する空間をデザインする」ことを学ぶ学科。
それはインテリアであったり、住宅であったり、空間であったり、都市であったり様々です。



「光」の多面性と人が生活する空間について

人が生活する上で「光」は欠かせないもの。自分の日常の中にある光が他者からどう見えるのか、光にはどんな印象を与える力があるのか。
ワークショップの前に、「光」についていろんな視点からスライドを用いて講義していただきました。
例えば、山頂から臨む朝日の神々しさや新緑の木漏れ日のやわらかさといった、言葉を超えた感動をもつ自然の光。
そして、夜道を優しく照らす街灯や、幻想的に輝く都市の夜景や、人の生活を豊かにする光。
また、自然光を取り入れた建物や、計算した光で作られる芸術作品など、空間を変える光。
「光」が持つ”美しさ” ”生活に不可欠” ”快適な空間”という多様性を見直し、改めて「照明器具とはなにか」ということを考察しました。

「なんかいいな」を形にしよう

講義を踏まえて、和紙と白熱球を使ってワークショップを開始。
和紙の表情と白熱球の明かりを生かし、「折る」「切る」「貼る」「塗る」「重ねる」といった作業を経て、光を灯した時に初めて完成される世界を創っていきます。

紙を揉んで変わった"質感"、紙全体を着彩し白熱球の光に与えられた"色"、イラストや折り紙で用いたり、紙を重ねて形成される"柄"。参加者の皆さんは目を輝かせて、自由な発想で個性あふれる照明を次々と生みだしていきました。

「好き」を第三者に伝える。

最後に先生たちによる講評会。参加者に、和紙という素材を活かすそれぞれの着眼点や使う時のイメージを参加者に説明してもらいました。先生方からは、参加者の作品ひとつひとつに、デザインの仕事をする上で必要な『説明しなくても分かる"良さ"』を誰にでもわかるように伝える方法を、実践的な視点から丁寧にアドバイスをしていただきました。
単純に「好きだから」ではなく、その良さををどう捉え、カタチにして、その魅力を人へプレゼンするのか。
参加者の皆さんに美大を出た後の将来像を具体的にイメージしてもらえたワークショップでした。


●環境デザイン学科とは

人間を包括する「空間」を「手」で考えデザインする姿勢を身につけ五感を研ぎ澄まして豊かな「空間」の想像に貢献できる人材の育成をしています。卒業生はインテリアなどの企業のデザイナーや店舗ディスプレイ、ランドスケープデザイン、舞台美術などで活躍しています。