藝大合格者座談会
主任講師
佐々木くん、東京芸術大学彫刻科への合格おめでとう。今日は合格に至るまでの経緯などをインタビュー形式で聞かせてもらいたいと思います。どうぞよろしく。

佐々木
ありがとうございます。宜しくお願いします。

主任講師
まず率直に言って、東京芸術大学に合格した今の気持ちを聞かせてもらえるかな。

佐々木
本当に良かったです。来年も受験をするとしたら本当に厳しいなと思っていたのでラッキーだったな、と思っています。

主任講師
確かに3浪目となると、精神的にかなりキツくなるしね。2浪目もキツかったとは思うけど、経験値を含めて考えると2浪で合格するって言うのは丁度いいよね。でもラッキーって感じなんだ。

佐々木
合格してみて分かったんですが、受験生の誰が受かってもおかしくなかったし、反対に誰が落ちてもおかしくない状況だったと思います。そういう意味でラッキーだったなと。

主任講師
じゃあ、その中で合格の1番の決め手となったものは何か、または受験に向かう中で、日々大切にしていたことがあったら教えてください。

佐々木
制作時間を今までより厳密に設定したことだと思います。1浪のころは授業の終わった後の時間も制作時間だと思って、毎日残ってやってたりしたんですが、2浪からはそういったことはやらなくなりました。朝の9時半から夕方の4時半までと日々の制作のなかでも制限時間を意識するようにしました。そういう制作をすることで、6時間というかぎられた時間の中でどう集中力をコントロールするのかを手探りで探っていきました。それが試験の時に生きたのかなと、思います。

主任講師
確かに1浪目と2浪目を比較すると、2浪目の方が良い意味で割り切ってる部分があったよね。この1年間の過ごし方もざっくり聞かせてもらえるかな。

佐々木
メリハリを意識しました。夕方まではしっかり制作して、その後は自分の好きな事や趣味に時間を当てました。

主任講師
オン・オフがしっかりしていて良いね。ちなみに佐々木くんは高校生の時から代ゼミの夜間部に在籍していたから、かれこれ3年ぐらい代ゼミに通っていたけど、 佐々木くんにとって代ゼミはどう言うところかな?

佐々木
とても居心地のいい場所だったと思います。

主任講師
居心地って言うのは具体的に言うと、どう言う感じなのかな?

佐々木
アトリエの広さだと思います。少人数でアトリエを共有していたので、制作する時の個人のスペースがかなり広かったです。

主任講師
なるほどね。その中で、彫刻科は途中で講師全員がほぼ新しくなったりもしたけど、新生彫刻科はどうだった?

佐々木
受験予備校として東京芸術大学を目指すための場所に変化したと思います。 それだけではなく、リアルなアーティストの話を聞ける場所だと思います。

主任講師
そう言ってもらえると嬉しいね。東京芸大の彫刻の受験には1次の木炭デッサンと2次の塑造と素描があるわけだけど、それぞれをどんな風に取り組んでいたかを聞かせてください。

佐々木
どちらにも言えるのはやはり基礎を外さないように心がけていました。 一番初めに気をつけるような、構図や構成、プロポーションなど凡ミスが無いよう気をつけました。

主任講師
基礎と凡ミス、本当にその通りだよね。じゃあ改めて聞いてみるけど東京芸大の彫刻科が試験で求めているものとは何だと思う?

佐々木
実直さだと思います。構図などの基礎を毎回気をつけることもそうですし、自分の形を作るというよりは、モチーフの形を自然な観察をして再現する努力も大切だと思います。

主任講師
彫刻の場合はそう言う風な視点というか、見方って大切だよね。大学が始まって1ヶ月程度経って、これから大学で本格的に彫刻を学んでいくわけだけど、大学はどうですか。

佐々木
彫刻科に関しては皆受験をしっかりやってきた人達ですから、アトリエの集中力は高くて制作しやすいです。他科の人達との交流もかなりあって自分の考えなかったようなことを考えている人が大勢いてとても勉強になります。

主任講師
良い刺激を受けられるような環境で良かったね。 大学で彫刻を学んでいく先で、将来をどんな風に考えてる? 夢とか目標とか、作家になりたいとか、何かあれば聞かせてください。

佐々木
近くの目標は美術作品を読むことをもっと出来るようにしたいです。ただ作品を見るだけではなく作品の価値や作品の哲学を自分の言葉で読み取るスキルを身につけたいです。

主任講師
作品を読むか。確かに佐々木くんが1浪の自由制作で作った作品なんかを思い出すと、佐々木くんの場合は作品のコンセプトとかかなり重要だったし、自分なりの言葉で探し出す作業なんか合ってるように思う。

佐々木
はい。咀嚼のしがいがあるというか、見れば見るほど面白くなるような作品を作りたいです。

主任講師
では最後に、これから来年の東京芸大合格を目指す受験生に、または芸大の彫刻科合格を目指す受験生に一言お願いします。

佐々木
月並みですけどめげないとこだと思います。やっぱり受験は辛いですけど、めげず腐らずポジティブに合格することだけ考えて日々を過ごす事ができればいい結果に繋がるのではないでしょうか。今年のほうが僕はそれが出来ていたと思います。

主任講師
シンプルだけど、それを結果としてやり切った人間の言葉は実感があるね。今日は本当にありがとうございました。いろいろ聞けて良かったです。大学での制作、ぜひ頑張って下さい。

佐々木
ありがとうございました。来年代ゼミの後輩が来るのを楽しみに待っています。